激甘通勤入門〜総武線はつらいよ
痴漢にはあわない美少女小説家、トントロです。
神さまのいたずらでなんとなく大学受験に成功してしまったボクは、大学が決まる前に予備校のあっせんで予約していた両国の学生寮に住むことになりました。
そしてなんやかんやで住む場所を変えても両国に7年近くも居座ることになってしまったのですが、両国という街は非常に快適です。
下町に位置したこの街は人がたくさん行き交うわけでもなく(とはいえ実家よりは多いし、相撲の場所中は少し増えるけど)、かといって半分は国技館・大江戸博物館などがある観光地なので、なにもないわけではない。
猥雑な飲み屋は一箇所に固まり、居住区は整然と立ち並んでいる。
そんな穴場的なこの街がボクは気にいっています。
しかし。
唯一のネックは通っている電車が総武線、ということなのです。
両国にはふたつの路線が通っています。
総武線イヤならもう一つある大江戸線使えばいいじゃん!という意見もあるでしょう。
しかし、このJRと都営地下鉄の間には異様なまでの距離があります。
最短ルートで行っても、距離にして500m。歩くと割とかかります。しかも、大江戸線は地上と地下の路線の高低差が大きい。乗り換えをこの間で行おうと思うと、10分前後見ておかないとスムースに行きません。
もう一つ、大江戸線は「大江戸」つまり昔の江戸の都市圏より広い場所を囲っている、という意味でもあるらしく、ビジネスエリアをぐるっと囲むように走っている性格もあってか、迂回的な役回りとしては便利です。ただ、両国からだと最短コースではないことが多いので、目的地までの到着がやや遅い、というのがボクとしては扱いづらいなぁと思う点です。御徒町らへんだったらもう少し違ったかもだけど。
これらの理由でJRの利便性に任せて定期もJRで!となるのが割と一般的な流れとなるのですが、
総武線は人身事故が多い!!!!!!!!!!
普段は早くていい電車なんですよ。アキバとか飯田橋とか新宿とかすぐに行けるので。
ただ、通勤ラッシュの時間帯に限って、こんなアナウンスが聞こえてくるのです。
「えー、ただいま新小岩駅にて人身事故が発生しております影響で……」
……なるほどね。
となるわけです。そうすると結局遅い大江戸線に頼る羽目になります。その時点で目的地への到着時刻が遅れることになります。大学でもこうなるとほぼ遅刻確定。会社は中野坂上なので、ダッシュしたらまだ……という慌ただしいことになります。
そして、もう一つ大変な理由。それは……
400%を超える日本一の乗車率!!!!!
大学時代は授業が朝になかったので特段気にはならなかったのです。
社会人になって、毎朝7時台に乗るようになったのですが、電車に乗ることが一苦労です。
だって乗るときに誰かを押さなくちゃ乗れないんだもん……。
で、ドアが閉まると身動きが取れなくなる。スマホもいじれないので、毎朝同じ街並みを観察する羽目になります。それはそれで楽しいけど、毎日見ているとさすがに変化に鈍感になってしまうものなのです。ようするに退屈。リモコン付きイヤホンで電波ソングをザッピングしながらやり過ごすのが日常になりました。
総武線、本来はとても便利な電車なんですよ。本当に。でもね、平日朝にアレに乗ってはいけない。あそこは魔境。乗るなら、痴漢冤罪にあわないように、男性のみなさまは手のやりどころには気をつけて乗りましょうね。
ま、ボクは美少女だから関係ないけど。